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ポンプで発生するキャビテーション とは!?原因と対策まとめ

キャビテーションとは

ポンプから普段は聞こえない「シャリシャリ」
「ガラガラ」という音がしたら、キャビテーションが発生しているかもしれません。

キャビテーションは騒音や性質低下だけでなく、インペラの損傷など重大なトラブルにつながる
可能性がありますので対処していかなければいけません。

 

そもそもなぜキャビテーションが発生してしまうのでしょうか。

キャビテーションを防ぐための対策はあるのでしょうか。

 

ポンプのキャビテーションについて、まとめました。

キャビテーションとは

キャビテーションとは空洞現象とも呼ばれるもので、液体の圧力が飽和蒸気圧を下回った時に気泡が発生する現象です。

飽和蒸気圧とは液体とその蒸気が均衡を保つ蒸気圧で、液体によって蒸気圧は異なります。

 

ポンプ業界では、ポンプ配管の内側で気泡が発生する状態をキャビテーションと呼びます。

 

キャビテーションは様々な場所で応用されています。

他業界でキャビテーションが応用されているものとしては、眼鏡や精密機器の超音波洗浄機、
エステの痩身技術や医療の治療器などが挙げられます。

キャビテーションが発生する理由

なぜポンプ内でキャビテーションが発生してしまうのでしょうか。

原因がいくつか考えられますので、どれに該当するのかチェックしてみましょう。

  • 扱う液体が高温すぎる
  • ポンプの吸込み圧力が低下
  • 液体の特性により
  • 運転状況による過大流量

扱う液体が高温すぎる

キャビテーション原因

扱う液体の温度が上がると、キャビテーションが発生しやすくなります。

高温になると飽和蒸気圧も上がるため、同じ圧力条件であったとしてもキャビテーションが発生しやすくなるのです。

 

特にポンプの吸い込み側では、圧力が下がりやすいため要注意です。

気泡が発生した時に圧力の高い部分に到達すると、強い衝撃が発生してポンプ内部を傷つける原因になってしまいます。

ポンプの吸込み圧力が低下

ポンプの吸い込み側で圧力が低下すると、キャビテーションが発生しやすくなります。

配管が長い、曲線が多いポンプは吸い込み側の
圧力が低下しやすい環境であると、認識しておかなければいけません。

 

なんらかの理由でポンプに無理な力が必要になると、ポンプの吸い込み側の圧力が下がる原因になります。

吸い込む高さが高い、タンク内の圧力が低い場合も同様にリスクがあると考えられます。

液体の特性により

液体によりキャビテーションの原因となる飽和蒸気圧が異なりますので、扱う液体の蒸気圧や粘度も関係してきます。

例えばアルコールが含まれる液体であれば気化しやすい状態ですし、粘度の高い圧力損失が発生しやすいため吸い込み側の条件が悪くなると想定できます。

 

気化しやすさや流れにくさ、温度などの条件が
重なるとキャビテーションが起こりやすい状態となります。

運転状況による過大流量

キャビテーションが起きないようにポンプを使うには、使い方が重要です。

「前に使っていたから」という理由で別の場所に設置すると、キャビテーションを起こしやすくなるかもしれません。

 

例えば、細くて長い管に水を流しすぎてしまうと圧力が下がるのでキャビテーションが発生しやすくなりますし、逆にポンプが大きすぎると蒸発しやすくなって泡ができやすくなります。

 

流れが速いと圧力が下がるのは、ストローで飲み物を飲む時の原理と同じです。

場所や条件に合わせて、適切な運転条件を確認していくのが大切です。

キャビテーションが起きると

キャビテーションはポンプにとって良くない状態です。

ポンプでキャビテーションが発生すると、何がどう良くないのかを確認していきましょう。

  • 騒音や振動でうるさくなる
  • ポンプの性能が下がる
  • 部品が消耗するエロージョン

騒音や振動でうるさくなる

キャビテーション音

キャビテーションが発生しているポンプは、明らかに普段とは違う異音や振動が発生するようになります。

キャビテーションの振動や衝撃は非常に細かくて強いのが特徴です。

 

シャリシャリと砂を噛むような音や、キーンと
不快な高い音が聞こえるかもしれません。

この異音は突発的なものではなく、キャビテーションが起こると連続的に発生します。

 

異音に気付いたら一度運転を停止して、原因を
探っていきましょう。

超音波はキャビテーションのサイン

液体の中で圧力の高い状態と低い状態を高速で
繰り返すのが、超音波です。

超音波から意図的にキャビテーションを起こしているのが、エステや医療で用いられる技術です。

 

ポンプの場合は、吸込み圧力の低下などにより
気泡が発生し、その気泡が崩壊する際に衝撃や振動が生じます。

このとき発生する高周波振動には超音波領域も含まれており、これが異音として気になります。

 

つまりポンプから超音波や異音が出ていると、
すでにキャビテーションが起きている状態となります。

ポンプの性能が下がる

キャビテーションが起きると、液体の一部が気泡となるため、送り出せる液体の量が減ってしまいます。

本来ポンプは液体を連続して送り出して、一定の流量や揚程を保っているものなので、性能が下がってしまいます。

 

液体だけならポンプは効率よく仕事ができますが、気泡を含むと正常に送り出せなくなり、本来の性能を発揮できなくなるのです。

キャビテーションが発生するとポンプの性能が下がるので、同じ電力を使っていても効率が悪くなります。

部品が消耗するエロージョン

エロージョンとは浸食を指し、ポンプ内部の部品が削られていく状態です。

キャビテーションにより発生した気泡が圧力の
高い場所で一気に潰れると、強い衝撃となります。

 

この時、液体がマイクロジェットとなり金属表面にたたきつけられ、何度も何度もダメージを与えます。

インペラの表面がボコボコになる、表面が剥がれてくる、などの損傷や浸食が起き、さらにキャビテーションが進行するとインペラの形が変わるなどのトラブルに繋がります。

キャビテーションを防ぐ対策

キャビテーション対策

ではキャビテーションが起こらないようにするには、どのような対策ができるのでしょうか。

日常的に取り組めるキャビテーション対策について、お伝えします。

  • 設計を最適化させる
  • 圧力管理を行う
  • 温度管理を行う

設計を最適化させる

キャビテーション対策の基本的な事柄となりますが、まずは発生しにくい設計・構造を整えておくようにしてください。

お伝えしてきたように、配管が長ければキャビテーションが発生しやすいので、配管を短くする、曲線を減らす、というように圧力損失を小さくできるようにしてみましょう。

 

設計を最適化させ、まずはポンプが吸い込みやすい環境を作るという点を意識しましょう。

圧力管理を行う

キャビテーションは、液体の圧力が飽和蒸気圧を下回ってしまうのが原因でした。

そのため圧力を適切に保つのが、キャビテーション対策になります。

 

吸い込み圧力を充分に確保できるよう、圧力管理をしていきます。

NPSH(有効吸込みヘッド)は、ポンプが要求する必要NPSHを上回る状態を確保できるようにしていきましょう。

温度管理を行う

扱う液体の温度が上がるとキャビテーションが起きやすくなるので、温度が上がらないよう管理をしていかなければいけません。

液体の温度を上げないのはもちろん、長時間の循環で温度が上がらないよう注意してください。

 

冷却設備があった方が良い場合がありますので、必要があれば検討していきましょう。

遠心ポンプとキャビテーション

ポンプの種類によってキャビテーションが起こりやすいものがあり、特に注意が必要なのが遠心ポンプです。

遠心ポンプはインペラを回して液体を外側に飛ばす構造になっていますので、仕組み上圧力の変化が起きやすく、キャビテーションが起こりやすいポンプとなります。

 

遠心ポンプは構造がシンプルでメンテナンスしやすいというメリットがあるので、一般的によく使われるポンプです。

キャビテーションが起きやすいという点を理解した上で、適切に対策をしながら使用してください。

キャビテーションに強いポンプを選ぶ

キャビテーションポンプ

キャビテーションのリスクを下げるには、
キャビテーションに強いポンプを選ぶといいでしょう。

キャビテーションが絶対に防げるというわけではありませんが、視野を広くポンプ選びをしてみましょう。

  • 渦巻ポンプ
  • 多段ポンプ・斜流ポンプ
  • サブマージポンプ
  • 真空補助機能付きポンプ

渦巻ポンプ

遠心ポンプのひとつに分類される渦巻ポンプですが、低NPSH型インペラのものや吸込み性能を高めた構造になっているものを選べばキャビテーションが発生しにくいでしょう。

さらに液面よりも低い位置に設置し、配管をできるだけ短くするなど基本的な対策を行ってください。

 

渦巻ポンプは本来、長持ちするポンプなので使い方を間違えないようにしなくてはいけません。

キャビテーションが発生すると渦巻ポンプの寿命にも関わりますので、設置時の対策が重要です。

多段ポンプ・斜流ポンプ

ひとつの主軸に複数のインペラが特徴の多段ポンプ斜流ポンプ

インペラごとに段階的に圧力を上げていくため、構造上は一段ごとの圧力の負担が小さくなります。

 

吸い込み条件が安定しやすいポンプなので、キャビテーションが発生しにくいです。

サブマージポンプ

サブマージポンプとは、ポンプとモーターが一体化されたもので、液体の中に沈めて使うポンプです。

ポンプは液体に覆われているため、吸い込み側の圧力が一定に保たれやすく、圧力が下がりにくいのでキャビテーションが発生しにくくなっています。

 

ただし絶対にキャビテーションが起きないわけではなく、条件次第では可能性があります。

過信しすぎずに、液温や流量には注意しましょう。

真空補助機能付きポンプ

真空補助機能付きポンプとは、吸込み配管内の空気やガスを真空ポンプで強制的に引き抜いて真空に近い状態を作り、液体を吸い込むポンプです。

空気やガスを除去するので吸い込みが安定し、
圧力低下を抑えます。

 

その結果、キャビテーションが起きにくくなるという構造です。

 

配管内に空気が入りやすい場所や、吸い上げに高さがある場所に適しています。

 

ポンプのキャビテーションに関するよくある質問

キャビテーション質問

ポンプのキャビテーションに関するよくある質問をまとめました。

  • キャビテーションを100%防ぐ方法はありますか?
  • キャビテーションとエア噛みの違いは何ですか?
  • キャビテーションは目で見えますか?
  • キャビテーションが発生したらポンプはすぐに壊れますか?
  • 液体の種類によってキャビテーションの起きやすさは変わりますか?

キャビテーションを100%防ぐ方法はありますか?

どんなに対策をしても、100%必ず防げるというものではありません。

吸込み圧力(NPSH)に余裕を持たせ、設計や運転条件を適切に管理してください。

キャビテーションとエア噛みの違いは何ですか?

キャビテーションは液体が気化するものですが、エア噛みとは外から空気が入り込んでしまう現象です。

どちらも気泡が発生するので似た現象に思えるかもしれませんが、別物です。

 

エア噛みの気泡はそのまま流れ、キャビテーションよりもダメージが比較的小さくなります。

キャビテーションは目で見えますか?

キャビテーションはポンプの内側で起こるので、外から見てわかるものではありません。

透明なポンプであれば見えますが基本的には見えないものとして、異音や振動で判断しましょう。

キャビテーションが発生したらポンプはすぐに壊れますか?

キャビテーションが発生しても、ポンプはすぐに
壊れるわけではありません。

ただし放置すると衝撃が積み重なり、ポンプは
劣化していきます。

 

強いキャビテーションだと数日~数週間でトラブルになってしまうかもしれませんので、早めに
対策を行ってください。

液体の種類によってキャビテーションの起きやすさは変わりますか?

液体の温度や蒸気圧、粘度により大きく変わります。

例えば水なら比較的キャビテーションは起きにくいですが、粘度の高い油や気化しやすいアルコールだとキャビテーションが発生しやすくなります。

キャビテーションのご相談は朝水技研へ

キャビテーションを放置すると、部品の損傷や
エロージョンの原因になります。

キャビテーションが発生する原因はひとつではありませんので、総合的な対策をしていかなくてはいけません。

 

もし異音や振動などのサインを見つけたら、早めに対処すればポンプの寿命を大きく伸ばせる可能性があります。

ポンプの選定や配管設計の見直しなど、現場に合わせたご相談をご希望の方は朝水技研にご連絡ください。

 

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