ポンプの呼び水のやり方とは?注意点や水が出てこない原因も徹底解説
ポンプを正常に動かすには、あらかじめ水をポンプ内部に入れておく作業の「呼び水」は、ポンプの運転を安定させるために欠かせない工程です。
しかし、正しいやり方を知らないと上手くいかないこともあるので注意が必要です。
本記事では、ポンプの呼び水のやり方について紹介します。
他にも「ポンプの呼び水をする際の注意点」や「ポンプから水が出てこない原因」について解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、ポンプの呼び水のやり方について理解を深めてみてください。
呼び水とは何か?

呼び水とは、ポンプが正しく作動するように、ポンプと水面の間にある配管部分をあらかじめ水で満たしておく作業のことです。
この工程を省いてしまい、配管内に空気が残っている状態だと、水が吸い上げられることはありません。
そのため、呼び水によって配管の中の空間を水で埋めることが必要不可欠です。
また、空気が残ったままポンプを作動させると、内部に負担がかかり故障の原因になることもあるので、使用前には必ず配管全体を水で満たしてから操作するようにしましょう。
ポンプの呼び水のやり方

ポンプの呼び水のやり方については、以下の5つが挙げられます。
- ポンプの電源を切る
- ポンプ内へ水を注ぐ
- キャップを閉めてポンプの電源を入れる
- 空気抜きをおこなう
- 水が出るかチェックする
それぞれのやり方について解説していきます。
ポンプの電源を切る
呼び水を注ぐ作業を始める前には、必ずポンプのスイッチをオフにし、電源プラグもコンセントから抜いておくようにしましょう。
万が一、作業中にポンプが突然作動してしまうと、安全を確保できないだけでなく、モーターなどの機械部分が空回りして故障のリスクが高くなってしまうので注意が必要です。
このような事故を防ぐためにも、呼び水を行う際には、あらかじめポンプが動作しないよう完全に停止させた状態で作業を進めることが重要です。
ポンプ内へ水を注ぐ
呼び水を注ぐ際には、細口のじょうろを使うと水を注ぎやすく便利です。
実際に、バケツから直接流し込もうとすると、水がこぼれたり量の調整が難しくなることがあります。
注ぐ水の量は、少しあふれる程度がちょうどよく、ポンプ内部がしっかり水で満たされることで中に残っていた空気が押し出されます。
また、作業を効率的に進めるためには、あらかじめバケツに多めの水を用意し、そこからじょうろなどを使って呼び水用の注ぎ口に移す方法が適しています。
キャップを閉めてポンプの電源を入れる
呼び水を注ぎ終えたら、必ず注入口のキャップをしっかりと閉めるようにしましょう。
キャップが確実に締まっていることを確認した後で、ポンプの電源を入れます。
また、作業中に水が周囲にこぼれていることもあるので、電源を入れる前に濡れている部分をしっかり拭き取ることが大切です。
このような一手間が、感電などの危険を未然に防ぐポイントとなります。
空気抜きをおこなう
配管内に残った空気を取り除くには、エア抜きバルブ付きのポンプであれば、そのバルブを開けるだけで簡単に空気を排出できます。
一方、バルブが付いていないタイプの井戸ポンプの場合は、自然に空気が抜けるまでしばらく様子を見る必要があります。
ポンプから連続して水が出るようになれば、空気がうまく抜けたサインとなります。
万が一、水の出が不安定な場合は、配管を軽くたたいて内部の空気の移動を促してみることをおすすめします。
しかし、空気の抜き方は製品ごとに異なる場合があるので、作業前に必ず使用しているポンプの取扱説明書を確認しておくと安心です。
水が出るかチェックする
呼び水を終えて空気が抜けたら、ポンプから正常に水が出るかどうかをチェックしてください。
もし水の出方が安定せず少量しか出なかったり、断続的に出たりする場合は、いったん電源をオフにし、最初のステップに戻って再度呼び水作業をおこなうようにしましょう。
それでも、ポンプから正常に水が出ない場合には、専門業者に依頼することをおすすめします。
ポンプの呼び水をする際の注意点

ポンプの呼び水をする際の注意点については、以下の6つが挙げられます。
- 作業時には必ず電源を切る
- 常温の水を使用する
- ゆっくりと水を注ぐ
- 空気を抜いてから運転を開始する
- 砂などが混じっていないか確認する
- 濡れてはいけないものを周囲に置かない
それぞれの注意点について解説していきます。
作業時には必ず電源を切る
呼び水を実施する際には、ポンプの電源が必ずオフになっていることを確認するように注意が必要です。
万が一、電源が入ったままだと、水を注いでいる途中で突然ポンプが作動し、水が飛び散る、あるいは配管が損傷するといった予期せぬ事故につながる恐れがあります。
また、ポンプ内部に空気が大量に取り込まれると、摩擦によって本体が加熱し、故障や不具合の原因になることもあります。
このように、安全で確実な呼び水作業をおこなうためには、ポンプが完全に停止している状態で、適切な準備を整えてからおこなうことが重要です。
常温の水を使用する
呼び水をおこなう際は、水温にも注意を払うことが大切です。
万が一、水の温度が極端に低かったり高かったりすると、ポンプや配管に想定外の負担をかけてしまう恐れがあります。
例えば、水温が低すぎると、水の粘性が高まることで、ポンプがスムーズに吸水できなくなったり、冬場であれば配管内部で凍結や詰まりが発生するリスクも考えられます。
逆に、熱すぎる水を使用すると、ポンプや配管の部材に熱による変形や劣化を引き起こす原因となってしまうので注意が必要です。
もっとも適した水温については、10℃から25℃程度のいわゆる常温水です。
この範囲内の温度であれば、機器への負荷も少なく、トラブルが起きにくくなります。
結果的に、ポンプの寿命を長く保つことにもつながるので、呼び水をおこなう際は水温管理にも気を配るようにしましょう。
ゆっくりと水を注ぐ
呼び水を注ぐ際には、ゆっくりと丁寧におこなうことが重要です。
例えば、ホースを差し込んで蛇口を一気に開けたり、ホースの先端を押さえて水を強く流し込むような方法は避けましょう。
こうした注ぎ方では、水と一緒に空気も内部に入り込みやすくなり、結果として空気が抜けにくくなってしまいます。
また、強い水圧によってポンプ内の圧力が不安定になり、密閉がうまくいかなくなったり、内部の弁を破損するリスクも出てきます。
このように、ポンプの機能を保ち、故障を防ぐためにも、呼び水は静かに、時間をかけて注ぐことを心がけましょう。
空気を抜いてから運転を開始する
ポンプの呼び水をする際の注意点として、空気を抜いてから運転を開始するようにしましょう。
ポンプを始動する前におこなう「空気抜き」は、作業の中でも特に重要なプロセスです。
実際に、ポンプや配管の中に空気が残った状態では、水圧が十分にかからず、うまく水を吸い上げることができません。
万が一、そのまま動かすと、ポンプが空回りしてしまい、水が出なかったり、水圧が著しく低下したりするトラブルにつながってしまいます。
また、内部に残った空気によって部品同士の摩擦が増し、熱を帯びた部品が損傷する恐れもあります。
空気抜きをおろそかにすると、単に水が出にくくなるだけでなく、機器自体の故障にもつながりかねません。
そのため、呼び水が完了した後は、ポンプを動かす前に必ず空気をしっかりと抜き切るようにしましょう。
砂などが混じっていないか確認する
井戸ポンプに呼び水をおこなう際は、必ず異物の混入していない清潔な水を使用するように注意が必要です。
万が一、砂や泥などが含まれた水を注いでしまうと、ポンプ内部に傷をつけたり、配管内に詰まりを引き起こす可能性が高まります。
また、呼び水用の水は、事前に準備しておくのが理想的です。
このように、水温だけでなく、水の中に細かな砂粒や汚れが混ざっていないかもあわせて確認し、安全に使用できる状態にしておきましょう。
濡れてはいけないものを周囲に置かない
ポンプに呼び水をおこなう際は、作業場所の周囲に水に弱い物を置かないよう、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
呼び水の作業中には、意図せず水がこぼれて周囲を濡らしてしまうことがあり、もし近くに電子機器や紙製品など水濡れに弱い物があると故障や損傷の原因になります。
作業前には周囲の安全を確保し、必要であれば濡れてもよい環境を整えてからおこなうようにしましょう。
また、水が床にこぼれた場合は、足元が滑りやすくなるので、転倒事故を防ぐためにも十分な注意が必要です。
ポンプから水が出てこない原因

ポンプから水が出てこない原因については、以下の5つが挙げられます。
- 地下水の水位が低下している
- 地下水が凍結している
- 呼び水が減少している
- ポンプが目詰まりを起こしている
- ポンプが経年劣化している
それぞれの原因について解説していきます。
地下水の水位が低下している
ポンプから水が出なくなる原因の一つとして、地下水の水位が下がっている可能性があります。
通常、吸込管の中にはある程度の水が残っていて、そこからポンプが水を吸い上げる仕組みですが、水位が想定より低くなると必要な量の水を引き上げることができず、結果として水が出てこなくなることがあります。
このような場合には、まず地下に十分な水が溜まるのを待つ必要があります。
水位が回復して吸い上げが可能な状態になってから、ポンプの使用を再開するようにしましょう。
地下水が凍結している
地下水が凍ってしまい、ポンプから水が出なくなるケースがあります。
特に、気温がマイナス4℃を下回ると、水は凍りやすくなるので、冬場に水が出ないトラブルが起きた際は、まず凍結を疑ってみることが重要です。
万が一、凍結が原因だった場合は、ポンプや配管を安全に解凍する必要があります。
しかし、焦って高温のお湯を直接ポンプにかけてしまうと、部品の破損やひび割れを引き起こすおそれがあるため、慎重に対応することが大切です。
具体的な凍結部分の解凍方法については、以下が挙げられます。
- 凍っていると思われる配管部分にタオルを巻く
- 約50℃のぬるま湯をタオルの上からゆっくりかける
- 同時に蛇口を少し開けて水が通るかどうかを確認する
このような手順をおこなうことで、凍結が緩和され、水が正常に流れ始めます。
呼び水が減少している
原因の一つとして、呼び水の量が不足しているケースが考えられます。
ポンプには「吸水管」と呼ばれる部品があり、この中に呼び水が満たされていることで、水の吸い上げが可能な状態に保たれています。
通常は吸水管内に十分な呼び水があり、ポンプがいつでも作動できるようになっていますが、何らかの理由で呼び水の量が減ってしまうと、うまく水を吸い上げられず、水が出ない状態になるケースがあります。
こうした状況を避けるためにも、呼び水の適切な補充が重要になります。
ポンプが目詰まりを起こしている
水が出てこない原因として、内部で目詰まりが起きている可能性があります。
多くのポンプには、異物の侵入を防ぐために「ストレーナー」や「砂こし器」といったフィルター部品が取り付けられています。
しかし、これらのフィルターにごみや砂などが詰まってしまうと、水の流れが妨げられ、正常に水を送れなくなることがあります。
そのため、水が出なくなったときは、まずこうした部品に異物が溜まっていないかを確認するようにしましょう。
このように、こまめな点検と清掃を心がけることで、ポンプのトラブルを未然に防ぐことにつながります。
ポンプが経年劣化している
水が出ない原因として、長年の使用による経年劣化も視野に入れる必要があります。
実際に、ポンプは機械部品のひとつであり、長く使い続けることで内部のパーツが摩耗したり、性能が徐々に低下していきます。
一般的に、家庭用のポンプはおよそ10年が耐用年数とされており、それを超えて使用している場合は、部品の老朽化による不具合が発生しやすくなります。
また、水の出が悪い、あるいは全く出ないといった症状が見られる場合には、経年劣化を疑い、新しいポンプへの交換を検討するようにしましょう。
ポンプの呼び水の作業に不安があれば専門業者に相談しよう!

今回は、ポンプの呼び水のやり方について紹介しました。
呼び水は、ポンプが正常に水を吸い上げるために不可欠な工程であり、水温の確認や空気の排出といった正しい手順を踏むことが重要です。
また、水が出なくなる原因には、地下水の水位低下や配管の凍結・詰まり、ポンプ本体の故障など、さまざまな要因が考えられます。
呼び水のやり方に自信がなかったり、機器の不具合が疑われる場合には、専門の業者に相談することをおすすめします。
今回の記事を参考にして、ポンプに関するトラブルも安全かつスムーズに解決しましょう。