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除塵機の種類とは?レーキ型・ネット型や回動式・往復式の違いについて

除塵機種類

河川や下水設備でゴミを除去してくれる除塵機。実はこの除塵機の種類はかなり細かく分類がされており、それぞれ特徴が異なるものとなっています。

どんな除塵機を選んで設置するべきなのか?

また設置した除塵機を安全に長く使うためには?

適切に判断するには、どんなポイントを意識すればいいのでしょうか。現場条件やゴミの性状によって適した機種は大きく変わるため、事前に違いを理解しておくことが重要です。除塵機の種類とそれぞれの違いについて、またよくあるトラブルや対処法についてもまとめました。初めて除塵機の導入や更新を検討している方にも、分かりやすく解説していきますので参考になさってください。

除塵機とは

除塵機とは

除塵機とは、読んで字のごとく塵を除く機械です。河川や下水処理場の取水口に設置され、ゴミや落ち葉などを除去します。水力発電所、排水設備などの施設に設置され、ゴミを除去して水の流れを止めないようにする役割があります。性質低下を防ぎ、インフラを正常に稼働させるために必要不可欠な設備であるといえるでしょう。

除塵機の仕組み

除塵設備は主に、以下の5つの要素から成っています。

設備の要素 役割
スクリーン ゴミや浮遊物を止める網・格子
除塵機 スクリーンのゴミを取り除く
搬送設備 集めたゴミを運ぶ
貯蓄設備 ゴミを一時的に貯める場所
制御設備 除塵機や搬送設備を制御する装置

水中で流れてくるゴミや浮遊物をスクリーンでキャッチして、除塵機で取り除き、コンベヤーなどの配送設備で貯蓄設備まで運びます。除塵機や搬送設備は電動ですが、操作や制御を行う場合は制御設備にて行います。

除塵機の種類

除塵機にはいくつか種類がありますので、詳しく確認していきましょう。大きく分けると除塵機は、レーキ型除塵機とネット型除塵機の2つに分類できます。

  • レーキ型除塵機ってなに?
  • ネット型除塵機ってなに?

レーキ型除塵機ってなに?

レーキとは熊手の形をしたピンを指し、回転して水中からゴミをかき集めていきます。水流によってスクリーンに引っかかった落ち葉や草、ビニールなどを、レーキが上下または回動しながら回収し、水路の閉塞防止や取水量の安定化を図ります。構造が比較的シンプルで、上下水道施設、農業用水、発電所の取水設備など、幅広い現場で採用されています。ネット型除塵機よりも、一般的に用いられるのはレーキ型除塵機です。

ネット型除塵機ってなに?

ネット型除塵機のネットは、網のネットです。スクリーンの先にレーキではなく、ネットがついているのがネット型除塵機です。連続運転が可能なため、ごみの流入量が多い取水設備や大規模施設に適しており、安定した取水を維持できるのが特徴です。ネット型除塵機は回動式のみとなり、さらに細かく分類していくとデュアルフロー式やレートフロー式と分けられます。

レーキ型除塵機の種類

レーキ型除塵機

さらにレーキ型除塵機を深堀していくと、回動式と往復式という違いがでてきます。ネット型は回動式のみで、往復式はありません。レーキ型除塵機の回動式・往復式、それぞれの特徴について、ご説明します。

  • レーキ回動式除塵機の特徴
  • レーキ往復式除塵機の特徴

レーキ回動式除塵機の特徴

回動式の除塵機とは、エンドレスチェーンというチェーンが内部に組み込まれており、回転し続けているのでゴミを除去し続けられます。多くの場面で用いられるタイプなので、除塵機のスタンダードタイプといってもいいでしょう。低水位の場所でも使用可能でメリットが多いレーキ回動式除塵機ですが、もし部品取替えなどが必要になると断水せざるを得ません。大きな現場だと影響が出やすくなってしまいますので、覚えておきましょう。

レーキ往復式除塵機の特徴

比較的水位が深い場所で選ばれるのが、レーキ往復式除塵機です。スクリーンに沿ってレーキが上下に往復動作し、付着したごみを掻き上げて除去する除塵機です。必要なタイミングでレーキが作動するため、構造が比較的シンプルで故障が少ないのが特徴です。部品の交換時にも断水する必要がないのがメリットです。レーキ回動式除塵機と比べると処理能力が低く、ゴミが大量の場所には不向きかもしれません。

レーキ回動式除塵機の種類

レーキ回動式除塵機の種類

レーキ回動式除塵機をさらに分類すると、背面降下前面搔揚式除塵機と前面降下前面搔揚式除塵機に分けられます。

  • 背面降下前面搔揚式除塵機の特徴
  • 前面降下前面搔揚式除塵機の特徴

背面降下前面搔揚式除塵機の特徴

レーキが背面側を降下し、前面(取水側)でゴミを掻き揚げる構造になっているのが背面降下前面搔揚式除塵機です。取水側で直接ごみを掻き取るため、除塵効率が高いのが特徴です。小さなゴミに強いタイプで、髪の毛のような細かいゴミも除塵できます。

前面降下前面搔揚式除塵機の特徴

レーキが前面(取水側)を降下し、そのまま前面でごみを掻き揚げる構造を持つのが前面降下前面搔揚式除塵機です。レーキ幅を大きくしたい、大きなゴミを除去したいというシーンでは前面降下前面搔揚式除塵機が向いているかもしれません。複雑な構造なので、設置スペースやコストのが大きくなる可能性があります。

除塵機のよくあるトラブルと原因

除塵機でよくあるトラブルと原因、対処法についてご紹介します。

  • チェーンが切れてしまう
  • チェーンが歯車から外れる
  • モーターの不調
  • コンベアが詰まってしまう
  • 除塵能力が低下する
  • ごみの再落下が続く

チェーンが切れてしまう

除塵機を長時間稼働させていると、レーキを回転させるためのチェーンが切れてしまうかもしれません。想定以上のゴミの嚙み込みがある、大きな異物を除去した、などの理由が考えられますが、比較的よくあるトラブルのひとつです。チェーンが切れてしまうとレーキやネットが使えなくなってしまいますので、運転を停止しなければいけません。メンテナンスや異物流入時に自動停止する過負荷保護機構の設定が、対策となります。

チェーンが歯車から外れる

除塵機のチェーンが外れる、緩んでしまうというのも、代表的なトラブルです。チェーンの伸びや張り不足、スプロケットの摩耗・芯ずれ、想定外の異物の嚙み込みが原因と考えられます。チェーンが外れるとレーキやネットが作動しませんので、異常停止となってしまいます。定期的にチェーンの張りをチェックする、保護機構を整備しておくなどの対策をとっていきましょう。

モーターの不調

除塵機トラブル

長時間除塵機を使っていると、過熱や経年劣化、モーターの焼き付きなどでモーターの不調が出てくる場合があります。除塵機から異音発生、絶縁不良などの症状がみられたら、モーターが原因かもしれません。屋外に除塵機を設置しているのであれば、浸水や湿気といった原因も考えられます。定期的な電流値・温度の確認、冷却状態の点検などが、対策となります。

コンベアが詰まってしまう

ゴミの量が搬送能力を超えると、除塵機のコンベアが詰まってしまうというトラブルがあります。普段は備えをしていたとしても、大雨や災害など予期せぬ事態で対応しきれなくなるというケースがあります。ゲリラ豪雨など天気の急変が珍しくない時代になりましたので、搬送能力に余裕をもった設計の除塵機を選んだ上で、定期的な清掃・点検の実施を意識していきましょう。

除塵能力が低下する

除塵能力が低下する原因としては、レーキやネットの摩耗・変形、チェーンの変形による動作不良などが考えられます。粘着性が高いゴミや絡まりやすい形状のゴミが多い場合にも、除塵能力が低下します。放置すると取水量の低下や水位上昇につながり、設備の停止もやむを得なくなってしまうかもしれません。ゴミの量や形状に合う除塵機を導入する、部品の早期交換などが対策となります。

ごみの再落下が続く

せっかく除去したゴミの再落下が続いてしまうと、同じゴミを何度も掻き揚げなくてはいけなくなり、設備に無駄な負荷がかかってしまいます。

レーキの掻揚げ角度や速度が不適切ではありませんか?

掻き揚げ量に対して搬送設備との位置関係は適切でしょうか?

掻揚げ角度・速度の調整を見直して、効率を上げられるようにしましょう。

トラブルを防ぐ除塵機の選び方

除塵機選び方

除塵機にはこのようなトラブルがありますが、できるだけトラブルは避けたいもの。除塵機を選ぶタイミングで、以下のようなポイントを意識しておくとリスクを抑えられるかもしれません。

  • ゴミの量に合った処理能力
  • ゴミの種類や形状を考慮する
  • 現場条件に合うスクリーン間隔
  • 点検・メンテナンスのしやすさを確認する
  • 異常時に停止できる保護機構の有無

ゴミの量に合った処理能力

ゴミの量に対処しきれない除塵機を選んでしまうと、トラブルの原因になります。大雨や洪水、ゲリラ豪雨などの突発的な事態が想定できますが、かといって過度に処理能力が高い除塵機を選ぶと維持費用などのコストに頭を悩ませてしまうかもしれません。落ち葉など季節によるゴミ量の違いを考慮しつつ、流入するゴミの量に対し、余裕のある処理能力を持つ除塵機を選びましょう。

ゴミの種類や形状を考慮する

除塵機を設置しようとしている場所は、流木のような大きなゴミが多い場所でしょうか?

それとも落ち葉のような絡まりやすいゴミが多い場所でしょうか?

ゴミの種類や形状に合わない除塵機を設置してしまうと、詰まりやチェーンのトラブルなどが発生しやすくなってしまいます。

現場条件に合うスクリーン間隔

設置個所のゴミの形状を把握したら、そのゴミに合わせたスクリーン間隔を意識しましょう。スクリーン間隔が狭すぎると小さなゴミや藻などまで引っかかてしまうかもしれません。逆にスクリーン間隔を誤って広めに設定してしまうと、本来除去しなければいけないゴミをそのまま流してしまい除塵機を設置しても役割を果たしきれません。

点検・メンテナンスのしやすさを確認する

安全性を保った状態で長く除塵機を使っていくためには、点検やメンテナンスが欠かせません。交換時間を短くしたいのであれば、チェーンやレーキの消耗部品が交換しやすい構造になっているかを確認しておきましょう。作業性が悪く点検が後回しになってしまうようなタイプだと、故障原因を見逃してしまうかもしれません。点検スペースの確保状況や、部品交換のしやすさなどを確認し、トラブルなく長く使っていけるようにしておきましょう。

異常時に停止できる保護機構の有無

除塵機に何か異常があった時に、自動停止してくれる保護機構がついていると万が一の場合でも安心です。保護機構が作動しないと、モーターや駆動部の重大な損傷につながる恐れがありますので、保護機構がついていれば被害を最小限に抑えられるでしょう。

除塵機に関するよくある質問

除塵機質問

除塵機に関するよくある質問をまとめました。

  • 除塵機と集塵機の違いは何ですか?
  • 除去したごみはどのように処理されますか?
  • 冬季や寒冷地でも除塵機は使用できますか?

除塵機と集塵機の違いは何ですか?

除塵機は水中のごみや浮遊物を除去する設備で、主に取水設備や水処理施設で使用されます。一方、集塵機は空気中の粉塵やミストを回収する装置を指し、用途や対象が異なります。

除去したごみはどのように処理されますか?

除塵機で集めたゴミは、産業廃棄物や一般廃棄物として専門業者で処理されます。ゴミの量や種類によって処理方法は異なりますが、除塵機選定時はゴミ処理設備まで含めて検討するようにしましょう。

冬季や寒冷地でも除塵機は使用できますか?

除塵機は寒い地域でも稼働できますが、対策がされている機種を選ぶ必要があります。寒い地域では水分の凍結により、レールの動きが鈍化してしまうかもしれません。またゴミが凍結して詰まるといったトラブルも考えられますので、これらの対策をした上で除塵機を選んでください。

除塵機のご相談は朝水技研へ

除塵機は、ただ選んで導入したら終わりというわけではありません。機器の選定はもちろん、周辺設備とのバランスを考えた設計・施工・保守が重要になるといえます。朝水技研では、揚排水ポンプ設備や取水設備を中心に、除塵機を含む水処理関連設備の設計・施工・点検・保守まで一貫して対応しています。除塵機単体ではなく、ポンプ・電気設備・制御盤など設備全体を見据えたトータル的な視点での提案が可能です。除塵機の選定や設置、メンテナンス等でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

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